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グロース投資とは?シリーズB以降の資金調達と投資家の特徴

CFO.Media編集部
グロース投資とは?シリーズB以降の資金調達と投資家の特徴

グロース投資とは、事業基盤が固まったシリーズB以降のスタートアップに投じられる成長資金のことです。誰が出資し、何が求められるのか。CFO.Mediaの調達データをもとに、シリーズB以降の資金調達の実態と投資家の特徴を解説します。

グロース投資とは

対象となるのは、事業モデルや顧客基盤がある程度確立したスタートアップです。プロダクトマーケットフィット(PMF、市場に受け入れられる製品・事業モデルの状態)を達成した後の局面で活用されます。次は組織・売上を一気に拡大したいというタイミングです。

グロース投資の定義

対象企業のステージで見るとシリーズB〜D以降に該当することが多く、調達額も数億円から数十億円規模になります。シード・アーリー期の投資は「事業が成立するかどうか」への賭けです。これに対しこちらは「成立した事業をどこまで拡大できるか」に対する投資という違いがあります。

シード・アーリー投資との違い

シード・アーリー投資は、事業モデルが未確立な段階でのリスクマネーです。投資家は失敗の可能性を織り込んだうえで、少額を分散して出資します。一方この段階の投資では、売上や顧客数といった実績データがすでに存在します。投資家は財務指標やユニットエコノミクス(LTV・CACなどの単位経済性)を精査したうえで、より大きな金額を投じる点が特徴です。

グロース投資が必要になるタイミング

資金ニーズが変わるのは、PMFを達成し、採用・マーケティング・海外展開などに一気に投資リソースを振り向けたい局面です。この段階では、少額の追加調達では事業拡大のスピードに資金が追いつかなくなります。

シリーズB以降で資金ニーズが変わる理由

シリーズA以前の資金使途は主にプロダクト開発や初期の営業体制構築です。シリーズB以降は人員拡大・マーケティング投資・海外展開・M&Aなど、資金使途の幅が一気に広がります。組織の急拡大に伴い、経営指標のダッシュボード化や月次決算体制の整備も必要になります。投資家に説明責任を果たすための管理会計の仕組みが同時に求められます。

CFO.Mediaデータで見るシリーズB以降の調達動向

CFO.Mediaの調達データベースでは、2026年上半期(1〜6月)にシリーズB案件が86件(前年同期79件比+8.9%)、シリーズC案件が49件(同42件比+16.7%)記録されています。特に伸びが大きいのはシリーズEで、前年同期の2件から13件へ急増しました。一方でシリーズDは20件から16件へ減少しており、シリーズごとに調達環境の明暗が分かれています。

ステージ 2026年上半期 2025年上半期
シリーズB 86件 79件
シリーズC 49件 42件
シリーズD 16件 20件
シリーズE 13件 2件

調達額の中央値も前年同期の3.6億円から5.4億円へ50%上昇しており、グロースステージにおける調達の大型化が進んでいることがうかがえます。業種別・投資家別の詳細データは「2026年上半期のVC投資トレンド」でも解説しています。

グロース投資を行う投資家の種類

グロース投資を担うのは、グロースキャピタルファンド、レイトステージ特化のVC、PEファンドのグロース部門、CVCなど複数のタイプの投資家です。それぞれ投資基準や関与のスタンスが異なるため、資金調達を検討する経営者は事前に特徴を把握しておくことが望まれます。

グロースキャピタルファンド

グロースキャピタルファンドは、ベンチャーキャピタルとプライベートエクイティ(PE)の中間に位置する投資家です。組織やプロダクトがある程度確立した非上場企業に対し、着実な成長を後押しする目的で出資します。日本では機関投資家によるレイトステージ・IPO直前期への投資が海外と比べて手薄です。この担い手不足が、スタートアップの資金調達環境における課題のひとつになっています。

PEファンドとの違い

PEファンドが主な投資対象とするのは、成長フェーズを過ぎて安定的なキャッシュフローが見込める企業です。これに対し、VC・グロースキャピタルが対象とするのはシード期から成長途上のレイトステージ企業までと幅があります。PEの中でもこの区分に該当するファンドは、VCによるレイターステージ投資と投資対象が重なる場合もあり、境界が明確に分かれているわけではない点に留意が必要です。

CVC・メガバンク系VCの参入

CFO.Mediaの2026年上半期データでは、三菱UFJキャピタルが34件で投資家別参加件数の首位となりました。みずほキャピタル(22件)、SMBCベンチャーキャピタル(19件)が続き、メガバンク系VC3社だけで合計75件に参加しています。シリーズB以降のグロースステージにも積極的に関与している実態がうかがえます。メガバンク系VCから出資を受ける場合、融資や決済インフラなど金融機関ならではの事業連携が期待できる点も、独立系VCとの違いとして意識しておくとよいでしょう。

グロース投資を受ける際のポイント

資金調達を受ける際に押さえるべきポイントは、資本政策への影響と、投資家が求める管理体制の水準です。調達額が大きくなる分、事前の準備を怠ると交渉力を失いやすくなります。

資本政策・希薄化への影響

この段階の資金調達は調達額が大きいため、既存株主の持株比率への影響(希薄化)も相応に大きくなります。優先株の条件(残余財産分配権、希薄化防止条項など)によっては、将来のイグジット時の取り分に差が出ることもあります。契約条件は顧問弁護士や既存投資家と事前にすり合わせておくことが重要です。資本政策全体の考え方は「スタートアップの資本政策」でも解説しています。

求められる管理体制・KPI

こうした投資家は、月次の経営指標やユニットエコノミクスを継続的にモニタリングできる体制を求める傾向があります。具体的には、月次決算のスピード、LTV・CACなどの単位経済性指標、内部統制の整備状況などが確認対象です。IPOを見据える場合は、この段階から証券会社・監査法人とのコミュニケーションを意識した経営指標ダッシュボードの整備を進めておくとよいでしょう。後続ラウンドやIPO準備の負担も軽減できます。

よくある質問

グロース投資とは何ですか?

事業基盤が確立したシリーズB以降のスタートアップに対し、事業拡大のために投じられる大型の成長資金のことです。調達額は数億〜数十億円規模になることが一般的です。

グロース投資とベンチャーキャピタル投資の違いは何ですか?

VCは主にシード〜シリーズCの成長期企業に投資します。グロース投資は事業モデルが確立したレイトステージ企業を対象とし、PEファンドとの境界が近い点が特徴です。

グロース投資はどのくらいの金額を調達できますか?

CFO.Mediaのデータでは、2026年上半期の調達額中央値は5.4億円でした。シリーズD以降では数十億円規模の調達も珍しくありません。

グロース投資を行う投資家にはどんな種類がありますか?

グロースキャピタルファンド、レイトステージ特化VC、PEファンドのグロース部門、メガバンク系CVCなどが挙げられます。

まとめ

  • グロース投資とは、事業基盤が確立したシリーズB以降のスタートアップに投じられる大型の成長資金
  • CFO.Mediaのデータでは2026年上半期のシリーズB案件が86件、シリーズC案件が49件、調達額中央値は5.4億円(前年同期比+50%)
  • 担い手はグロースキャピタルファンド、レイトステージVC、PEファンドのグロース部門、メガバンク系CVCなど多様
  • 調達額が大きい分、希薄化への影響と投資家が求める管理体制(月次指標・ユニットエコノミクス)への準備が重要

CFO.Mediaでは、こうした資金調達動向を週次・月次レポートや業界分析として継続的に発信しています。自社のグロースステージにおける資金調達戦略に活かしたい方は、CFO.Mediaをぜひご覧ください。

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