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外国人エンジニア雇用の実務|在留資格の要件と2026年10月手数料改定

CFO.Media編集部
外国人エンジニア雇用の実務|在留資格の要件と2026年10月手数料改定

外国人エンジニアの雇用では、採用の可否は在留資格の要件で決まり、費用は2026年10月1日の手数料改定で変わりました。スタートアップが採用前に確認すべき学歴・報酬の要件、採用ケース別の手続き、雇用後の届出までを、出入国在留管理庁(入管庁)と厚生労働省の公開情報から整理します。

外国人エンジニア雇用で確認する在留資格

エンジニアの就労は、多くの場合「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる技人国)の在留資格で行います。入管庁は該当例に「機械工学等の技術者」を挙げており、在留期間は5年・3年・1年・3か月のいずれかです。

自然科学・人文科学の分野の業務に就く場合、上陸許可基準は次の3点です。

  • 次のいずれかに当てはまること: 関連科目を専攻して大学を卒業した(同等以上の教育を含む)、専攻科目に関連する専修学校の専門課程を修了した(専門士・高度専門士の称号が必要)、関連する実務経験が10年以上ある
  • 日本人が同じ業務に就く場合と同等額以上の報酬を受けること
  • 業務が学問的・体系的な技術や知識を必要とするものであること

IT技術者には特例があります。法務大臣が告示で定める情報処理技術の試験に合格した場合や資格を持つ場合は、学歴・実務経験の要件を満たさなくても対象になります。

注意したいのは、報酬の要件が「採用するエンジニア個人の希望額」ではなく「日本人が従事する場合との比較」で見られる点です。外国人エンジニアの雇用だからといって給与を低く設定すると、要件を満たせません。報酬に通勤手当や住宅手当などの実費弁償にあたるものは含まれないため、基本給と諸手当の内訳も整理しておきます。

採用ケース別の手続きと標準処理期間

どの手続きが必要かは、採用する人が今どこにいて、どの在留資格を持っているかで決まります。

採用する人の状況 必要な手続き
海外在住 在留資格認定証明書交付申請
国内の留学生など就労資格なし 在留資格変更許可申請
就労資格あり・同じ活動を継続 本人の契約機関に関する届出

入管庁のQ&Aでは、標準処理期間は認定証明書が1か月から3か月、変更許可が1か月から2か月、更新許可が2週間から1か月とされています。内定から入社までに3か月ほど見ておくと、スケジュールに余裕が生まれます。

既に就労資格を持つ人を中途で採用する場合、採用後も持っている在留資格に該当する活動を続けるなら変更許可は不要です。ただし、新しい業務がその在留資格の範囲に収まるか迷うときは、就労資格証明書で確認する方法があります(手数料はオンライン申請1,600円・窓口申請2,000円。2025年4月1日以降の額)。在留期間の満了が近い場合は、更新許可申請が別途必要です。

所属機関のカテゴリーと2026年4月以降の追加書類

提出書類は、受け入れ企業の区分(カテゴリー1〜4)で変わります。上場企業などはカテゴリー1、前年の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体はカテゴリー2、前年分の法定調書合計表を提出した団体はカテゴリー3、それ以外はカテゴリー4です。

創業間もないスタートアップはカテゴリー3または4になりやすく、提出書類が多くなります。2026年4月15日以降の申請では、カテゴリー3・4に次の追加書類が必要になりました。

  • 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)
  • 言語能力を主に使う対人業務に就く場合は、業務上使う言語についてCEFR・B2相当の言語能力を示す資料(日本語ならJLPT・N2以上などで代替できます)

エンジニア職は通常、言語能力を主に使う業務にあたりませんが、職務内容の書き方次第で追加資料を求められることもあります。職務記述は、担当する開発業務の内容と専攻科目との関連が伝わるように具体的に書きます。

2026年10月の在留許可手数料の改定

2026年10月1日以降に受け付けた申請から、在留資格の変更許可と在留期間の更新許可の手数料が、許可される在留期間に応じて7区分に変わりました。改定前は窓口6,000円・オンライン5,500円でした。

許可される在留期間 窓口 オンライン
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

3か月以下(1万円)、3か月超6か月以下、6か月超1年未満の区分もあります。オンライン申請の場合は収入印紙が使えず、コンビニ決済か銀行決済で納付し、別途決済手数料(3年未満は330円、3年以上は550円)がかかります。

永住許可の手数料も、窓口で1万円から20万円になりました。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降になっても旧額での納付です。

今回改定されたのは、変更許可・更新許可・永住許可の手数料です。採用後は在留期間ごとに更新が発生し、社員1人あたり更新のたびに数万円が必要になるため、手数料を会社負担にするか本人負担にするかは、入社前に就業規則や雇用契約に明記しておくと、あとの調整が不要になります。永住許可に関するガイドラインも2026年10月1日付で改定されました(改定は原則2027年4月1日以降の申請から適用。収入など一部の項目は改定日に申請中の案件にも適用)。長期の就労を想定する社員には最新版の確認を促します。

高度専門職とJ-Skipという選択肢

高度な専門性を持つ人材には、在留資格「高度専門職」があります。ポイント計算で70点以上を満たすと優遇措置を受けられるほか、2023年4月に始まった特別高度人材制度(J-Skip)では、ポイント計算なしで次のいずれかを満たせば高度専門職1号が付与されます。

  • 修士号以上かつ年収2,000万円以上
  • 実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上

年収2,000万円以上が条件のため、対象は限られます。将来のCTO候補やリードエンジニアを海外から迎える場面では、検討の価値があります。

雇用後に必要な届出と運用

外国人を雇う事業主は、規模にかかわらず、雇入れと離職の際にハローワークへ「外国人雇用状況の届出」をする義務があります。雇用保険に加入する場合は、資格取得届・喪失届の備考欄に在留資格などを記入すれば届出になり、期限は雇入れが翌月10日まで、離職が翌日から10日以内です。雇用保険に加入しない場合は別様式で、期限は翌月末日までです。届出を怠ると30万円以下の罰金の対象です。

届出内容の正確性を担保するのは、厚生労働省のQ&Aでは一義的に事業主とされています。採用時に在留カードで在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無を確認し、更新時期は台帳で管理します。

よくある質問

外国人エンジニアは大学を卒業していなくても雇用できますか

関連する実務経験が10年以上あれば、技人国の要件を満たす可能性があります。実務経験には、大学や専修学校で関連科目を専攻した期間も含まれます。IT技術者の場合は、告示で定める情報処理技術の試験・資格でも要件を満たせます。

留学生を新卒採用する場合の手続きは何ですか

留学生は就労資格を持たないため、在留資格変更許可申請が必要です。標準処理期間は1か月から2か月とされているため、入社日から逆算して申請時期を決めます。

既に就労資格を持つエンジニアを中途採用するときも許可申請が必要ですか

採用後も持っている在留資格に該当する活動を続ける場合、変更許可は不要です。代わりに、本人による契約機関に関する届出が必要で、在留期間の満了が近いときは更新許可申請も要ります。

まとめ

外国人エンジニアの雇用は、①学歴・報酬の要件を満たすか、②採用ケースに合う手続きを選んでいるか、③2026年10月からの手数料を見込んでいるか、④雇用後の届出を回せるか、の4点で整理できます。採用市場の背景は、スタートアップ採用トレンド2026下半期|エンジニア採用難と外国人雇用の実態で解説しています。

出典

  • 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku)
  • 出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」(https://www.moj.go.jp/isa/11_00107.html)
  • 出入国在留管理庁「2026 外国人の在留手続」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001469200.pdf)
  • 出入国在留管理庁「特別高度人材制度(J-Skip)」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri01_00009.html)
  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項」(https://www.moj.go.jp/isa/content/001344550.pdf)
  • 厚生労働省「『外国人雇用状況の届出』について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html)
  • 出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-9.html)
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」(https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html)
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