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スタートアップの会計ソフト選び方|freee・マネーフォワード・弥生

CFO.Media編集部
スタートアップの会計ソフト選び方|freee・マネーフォワード・弥生

会計ソフトの選び方で迷ったら、料金表より先に「何人で使うか」「税理士は誰か」「上場を見据えるか」の3点を決めてください。この3点が決まると、freee・マネーフォワード クラウド・弥生会計 Nextの比較の対象を絞りやすくなります。この記事では、2026年10月時点の各社公式情報をもとに、スタートアップが会計ソフトを選ぶ手順を整理します。

会計ソフトの選び方は3つの軸で決まる

会計ソフトの選び方で最初にやることは、機能比較表を開くことではなく、自社の条件を言葉にすることです。条件が曖昧なまま料金だけを見ると、半年後に人数や機能の制限に当たり、乗り換えることになりがちです。

軸は次の3つです。1つ目は、会計ソフトを使う人数です。創業者1人で記帳するのか、経理担当と経営者の2人以上で使うのかで、選ぶプランが変わります。各社とも「3名まで」を境に料金体系が切り替わるため、ここが最初の分かれ目になります。

2つ目は、顧問税理士や記帳代行の有無です。会計ソフトは税理士が普段使っているものに合わせると、データの受け渡しがスムーズです。税理士がいない段階なら、サポートの厚さが選定の軸になります。3つ目は、将来の上場や投資家報告をどこまで見据えるかです。上場準備向けの上位製品や機能を、別に用意している会社もあります。

次の章では、3社の料金から見ていきます。

freee・マネーフォワード・弥生の料金を比べる

3社とも法人向けに複数のプランがあり、人数と機能で価格が上がる構成です。次の表は、年払いを月額に換算した入口のプランの料金です(2026年10月16日時点、税抜、各社公式サイト)。

製品 入口プラン 月額(年払い) 含まれる人数
freee会計 スターター 5,480円 3人
マネーフォワード クラウド会計 スモールビジネス 4,480円 3名まで
弥生会計 Next エントリー 2,900円 会計機能3名まで

表の金額は入口のプランです(マネーフォワードは、経営者1名向けのひとり法人プラン2,480円を除きます)。freee会計の上位は、スタンダード(8,980円)とアドバンス(39,780円)です。最上位のエンタープライズはお問い合わせ制です。月払いにすると、スターターは7,280円、スタンダードは11,980円です。基本料金に加えて、経費精算を使う人数に応じた従量課金(1人あたり月300円〜)が発生する点に注意してください。

マネーフォワード クラウド会計は、経営者1名のみの新設法人向けに「ひとり法人プラン」(2,480円)があります。スモールビジネスは3名まで、4名以上で使う場合はビジネスプラン(6,480円)が必要です。月払いはスモールビジネスが5,980円、ビジネスが7,980円です。なお公式サイトは、2027年6月に料金体系の一部を改定する予定だと告知しています。

弥生会計 Nextは、年契約で3つのプランがあります。エントリーが月2,900円、ベーシックが4,200円、ベーシックプラスが7,000円です。会計機能は3名まで無料で、4名以上は1名あたり月300円で追加できます。

ここで1点、弥生について注意があります。以前の主力だった「弥生会計 オンライン」は、公式サイトによると新規契約の受付を終了しました。現在、新しくクラウド版を契約する場合の対象は弥生会計 Nextです。古い比較記事を参考にすると、すでに申し込めない製品を検討してしまうため、料金は必ず公式サイトで確認してください。

入口プランの年間差は最大で約3万円ですが、人数が増えたときの上がり方は製品ごとに違います。次の章では、料金以外の機能の違いを見ます。

スタートアップが見るべき機能の違い

機能の比較では、全項目を並べるより「経営の判断に使えるか」「監査や上場準備に耐えるか」の2点に絞ると判断しやすくなります。3社の公式ページから確認できた範囲を整理します。

freee会計は、基本機能に自動仕訳、AI-OCR記帳、資金繰り管理が含まれます。スタンダードで経営分析と月締め機能、アドバンスでカスタム権限とワークフローが加わる構成です。最上位のエンタープライズは「上場水準の内部統制」を掲げています。管理会計や予実管理の機能がどのプランに入るかは、公式の料金プラン比較表で最新の対応を確認してください。

マネーフォワード クラウド会計は、銀行連携による自動仕訳提案や口座残高の突合を備えます。債務の一元管理、固定資産台帳、部門別集計表、キャッシュフローレポートも使えます。上場・IPO準備向けには、別製品として「クラウド会計Plus」を案内しています。

弥生会計 Nextは、帳簿・決算書の作成、請求書の作成、部門管理、経費精算を掲げています。金融機関2,500以上との連携、JIIMA認証を取得した「優良な電子帳簿」への対応、AIによる資金繰り予測が特徴です。

freeeと弥生はインボイス制度への対応を、3社とも電子帳簿保存法への対応を、機能として掲げています。法令対応は各社が掲げているため、差が出るのは人数、部門管理、承認フロー、サポートの厚さです。たとえば経理担当を置かない段階なら、電話サポートや仕訳相談の有無が効きます。弥生はベーシックプラスを、手厚いサポートが欲しい方向けと位置づけています。freeeはスターターから電話サポートを基本機能に含めています。

インボイス制度後の請求書・経費処理の実務は、インボイス制度の実務ガイドで整理しています。次の章では、成長段階ごとに選び方を当てはめます。

成長段階別の選び方

選び方を段階別にまとめると、次の表のようになります。いずれも公式情報にもとづく目安であり、実際の導入では無料体験で操作感を確かめてください。

状況 選びやすい方向 見る点
創業直後で1〜3人 入口プラン 3名の枠で足りるか
経理未経験で外注なし サポート重視 電話・仕訳相談
部門別で数字を見たい 中位プラン以上 部門管理の範囲
上場準備を意識 上位製品を確認 内部統制の機能

創業直後で1〜3人なら、3社とも入口プランで足ります。料金差が小さいため、使いやすさと税理士との相性で決めるのが現実的です。経理未経験の創業者が自分で記帳する場合は、サポートの手厚さを優先します。会計の知識がないまま自己流で仕訳を積むと、決算期に修正の手間が膨らむためです。

経理担当者を採用する段階になると、論点が変わります。複数人で同時に使う、承認の流れを作る、部門ごとに損益を見るといった要件が出てくるため、中位以上のプランを検討する時期です。経理体制そのものの組み方は、経理体制構築の記事で採用とアウトソースの目安を解説しています。

上場を意識する段階では、会計ソフトの上位製品や連結・内部統制の機能が関わります。freeeのエンタープライズやマネーフォワードのクラウド会計Plusが、その例です。ただし、シード〜シリーズAの段階では、上位製品を入れなくても回る場合が多いです。入口プランで始め、人数や要件が増えた時点で上げる運用のほうが、固定費を抑えやすくなります。

部門別の損益や予算を月次で回す段階は、管理会計入門も参考になります。次は、税理士との連携と乗り換えの注意点です。

税理士との相性と乗り換えの注意点

会計ソフトの選び方で見落とされやすいのが、顧問税理士との相性です。事務所が使い慣れたソフトなら、確認や修正が早く進みます。対応していないソフトだと、CSVでの受け渡しが毎月発生します。契約前に「このソフトで共有できますか」と確認するのが確実です。弥生は会計機能を3名まで無料で使えるため、税理士のアカウントも含めて人数を数えておきます。

各社とも、税理士・会計事務所向けの仕組みを用意しています。freeeはアドバイザーの招待が無料で、招待数に上限がありません。マネーフォワードは、士業のアカウントが公認メンバー制度に加入していれば、従量課金の対象外になります。弥生は顧問税理士にリアルタイムで会計データを共有できると案内しています。

すでに別のソフトを使っている場合は、乗り換えの手間も比べます。弥生会計 Nextは、CSV形式やテキスト形式のデータを取り込めると案内しています。マネーフォワードは、会計データの移行サポートをオプションで提供しています。乗り換えの時期は、事業年度の期首に合わせると、期中の仕訳を二重に管理せずに済みます。

決算や税務申告の流れ全体は、決算・税務申告ガイドで税理士との付き合い方まで解説しています。月次の締めを早める運用は、月次決算の進め方が参考になります。次の章では、無料体験で確かめる項目を挙げます。

無料体験で確認する5つの項目

3社とも無料で試せる期間があります。freeeは30日間、マネーフォワードは1か月(ビジネスプラン相当の機能)、弥生は最大2か月です。弥生の無料体験では決算書の作成・出力が使えないなど制限があるため、各社の条件を確認してから始めてください。

体験期間中に、実際の自社データで次の5項目を確かめます。

  1. 取引銀行・法人カードの明細が自動で取り込めるか
  2. 自社の取引パターンで、仕訳の自動提案が妥当か
  3. 請求書の発行と入金消込が、今の運用に合うか
  4. 顧問税理士が、データを問題なく閲覧・確認できるか
  5. 月次の試算表や部門別の数字が、経営会議で使える形で出せるか

特に1と2は、実際の明細を取り込まないと分かりません。直近1〜2か月分の取引を入れて、手作業の修正がどれだけ要るかを数えてください。

投資家への月次報告まで見据えるなら、投資家レポートの書き方も確認しておくと、必要な数字が逆算できます。

よくある質問

月払いと年払いのどちらを選ぶべきですか

年払いのほうが月額は安くなります。たとえばfreeeのスターターは年払いで月5,480円、月払いで7,280円です。マネーフォワードのスモールビジネスも、年払いなら月4,480円、月払いなら5,980円です。最初の数か月は月払いで運用を確かめ、定着してから年払いに切り替える方法もあります。

会計ソフトはいつ導入すべきですか

法人設立の直後から導入するのが自然です。設立初年度の取引は少なく、仕訳の流れを作りやすい時期だからです。後から導入すると、期中の取引を遡って入力する作業が発生します。

補助金で会計ソフトを導入できますか

デジタル化・AI導入補助金は、会計ソフトも対象になる場合がありますが、対象は登録されたITツールに限られます。たとえば弥生は、公式サイトで弥生会計 Nextが2026年4月時点では補助金の対象外だと案内しています。制度の詳細はデジタル化・AI導入補助金の申請方法で解説しているため、申請前に対象ツールの最新の登録状況を確認してください。

まとめ

  • 会計ソフトの選び方は、人数・税理士・上場の見通しの3軸で絞る
  • 入口プランの月額は、freeeが5,480円、マネーフォワードが4,480円、弥生が2,900円(年払い、税抜、2026年10月時点)
  • 弥生会計 オンラインは新規受付が終了し、現在の対象は弥生会計 Next
  • 法令対応より、人数・部門管理・サポートの厚さで差が出る
  • 無料体験で、自社の明細を使って自動仕訳と税理士の閲覧を確かめる

会計ソフトを入れたあとは、数字を経営判断に使う段階に進みます。CFO.Mediaでは、資金調達や補助金、経営管理の実務を記事で解説しています。あわせて確認してください。

出典

  • freee「法人向け会計料金プラン」(2026年10月16日確認)
  • freee ヘルプセンター「【法人】freee会計のプランについて(2024年7月以降)」
  • マネーフォワード クラウド「料金・プラン(小規模〜中小企業向け)」「プラン比較表」(2026年10月16日確認)
  • 弥生「弥生会計 Next 料金プラン」「弥生会計 Next」(2026年10月16日確認)
  • 弥生「弥生会計 オンライン」(新規契約受付終了の案内)
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