年収2,000万円を提示しても採用できない——2026年のスタートアップCFO採用市場は、そう言われるほど過熱しています。
フルタイム採用のハードルが上がる一方で、複業CFO・シェアリングCFOという新しい選択肢も急速に広がっています。
本記事では、CFO採用市場で何が起きているのか、年収相場はどう変わったのか、そしてシリーズA前後の経営者がフルタイム採用と複業活用をどう判断すべきかを整理します。
2026年のCFO採用市場、何が起きているか
「年収2,000万円でも採用できない」時代
スタートアップ・成長企業のCFO採用市場では、年収2,000万円を提示しても人材を確保できない状況が報じられています。
財務体制の構築を急ぐ企業が増える一方、それに応えられる人材の供給が追いついていないのが実情です。
背景にあるのは投資環境の厳格化です。VCも金融機関も、これまで以上に「数字で説明できる経営」を求めるようになりました。
求められる人材像の変化
単なる経理・財務のバックグラウンドだけでは、いまのCFO採用市場では評価されにくくなっています。
事業会社での財務企画経験や、VC・投資銀行での投資判断経験を持つ人材が高く評価される傾向です。
資金調達経験やIPO準備経験は、採用基準の中でも特に重視されるスキルセットになっています。
CFOの年収相場はどう変わったか
フェーズ別の年収レンジ
CFOの年収相場は、企業フェーズによって大きく異なります。
シード〜シリーズAでは800万〜1,500万円が目安とされ、業績が順調に伸びている企業やIPO準備企業では1,000万〜2,000万円が標準的なレンジです。
全体で見ると、スタートアップCFOの年収は1,000万〜2,000万円が相場で、業績好調な企業では2,000万円を超えるケースもあります。
ストックオプションを含めた報酬設計
スタートアップCFOの報酬では、ストックオプションが重要な要素になります。
シリーズAのフルタイムCFOでは、年収に加えて0.5〜2%程度のストックオプションを付与するのが一般的な相場です。
現金報酬を抑える代わりにストックオプションを厚くする設計は、キャッシュフローが限られる企業にとって現実的な選択肢です。
| フェーズ | 年収目安 | ストックオプション |
|---|---|---|
| シード〜シリーズA | 800万〜1,500万円 | 0.5〜2%程度 |
| 業績好調・IPO準備企業 | 1,000万〜2,000万円 | 個別交渉 |
| 業績好調企業(上限) | 2,000万円超 | 個別交渉 |
フルタイムか複業か──シリーズA前後の判断軸
創業期は社外CFOで十分なケースが多い
創業期のスタートアップにとって、フルタイムCFOの採用は必ずしも最優先ではありません。
資金調達の頻度や財務業務の量がまだ限定的な段階では、社外CFO・複業CFOの活用で十分に対応できるケースが多いといえます。
フルタイムCFO採用には年間1,500万〜2,500万円以上のコストが必要になる一方、複業CFO・シェアリングCFOであればその数分の一のコストで同等の知見を得られます。
シリーズA前後でフルタイム採用を検討するのが現実的
資金調達が本格化し、投資家との交渉や財務戦略の設計が経営の中心課題になってくると、フルタイムCFOの必要性が高まります。
シリーズA前後は、その判断のひとつの目安になるタイミングです。
フルタイム採用が難しい場合は、業務委託型の社外CFOを段階的に活用しながら体制を整える企業も増えています。
経営者・CFOが押さえるべきポイント
採用基準を「経理経験」から「資金調達・IPO経験」へ広げる
経理・財務の実務経験だけを基準にすると、いまの採用市場では候補者の母集団が狭くなりがちです。
VC・投資銀行出身者や、他社での資金調達・IPO準備を経験した人材まで視野を広げることが、採用成功の一つの鍵になります。
段階的な体制構築でミスマッチを避ける
フルタイムCFOをいきなり採用するのではなく、複業CFOでの伴走期間を経てから正式に採用するという段階を踏む企業もあります。
実際の業務での相性を見極めてから意思決定できる点は、採用ミスマッチのリスクを下げるうえで有効です。
よくある質問
スタートアップCFOの年収相場はいくらですか?
シード〜シリーズAでは800万〜1,500万円、業績好調な企業やIPO準備企業では1,000万〜2,000万円が目安です。ストックオプションを含めた設計が一般的です。
複業CFO・シェアリングCFOとは何ですか?
フルタイムではなく、週数時間〜数日単位で財務業務を担う外部CFOです。フルタイム採用より低コストで専門知見を得られる選択肢として広がっています。
フルタイムCFOを採用すべきタイミングの目安は?
資金調達が本格化し、投資家との交渉や財務戦略の設計が経営の中心課題になるタイミングが一つの目安です。それまでは社外CFOの活用が現実的です。
まとめ
- 2026年のCFO採用市場は、年収2,000万円でも人材を確保できないほど過熱している
- 求められる人材像は「経理・財務経験」から「資金調達・IPO経験」へシフトしている
- CFOの年収相場はシード〜シリーズAで800万〜1,500万円、IPO準備企業で1,000万〜2,000万円
- 複業CFO・シェアリングCFOは、フルタイム採用の数分の一のコストで専門知見を得られる選択肢
- シリーズA前後は、フルタイムCFO採用を検討する現実的なタイミング
CFO.Mediaでは、資金調達・財務戦略・経営管理に関する週次・月次レポートや業界分析を継続的に発信しています。CFO採用や体制構築の判断材料としたい方は、ぜひCFO.Mediaをご覧ください。
データ出典: CFOの年収相場を企業規模やフェーズごとに解説 / CFOの年収はいくら? / スタートアップCFOの年収が高騰する5つの理由 / 人材市場の異常事態 年収2,000万円でもCFO採用困難な時代 / 副業CFO・シェアリングCFOの募集動向2026 / CFO「年収」の相場【シリーズA〜上場後ベンチャー〜大手】
3分のチャットで、あなたに合う投資家・補助金・調達の相場感がわかる。無料で使えます。

米大学卒業後、NYでコンサルティング・NPO・起業を経験。帰国後、楽天・デロイト トーマツ ベンチャーサポートにて海外展開およびベンチャー支援に従事し、14カ国・500社超の事業成長を支援。2021年にThe CXO創業。複数ベンチャーのCXOとして参画し、実践知に基づく知見体系・フレームワークの構築を進めている。
プロフィールを見る →