海外展開に使える補助金まとめ|JETRO・中小機構・自治体の支援制度
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海外進出には資金が必要ですが、国や自治体が充実した補助金制度を用意しています。JETRO・中小機構・東京都や大阪府などの自治体が提供する7つの補助金を、申請条件・金額・活用のポイントとともに解説します。
JETRO(日本貿易振興機構)の補助金・支援制度
JETROは海外展開を目指す中堅・中小企業向けに、補助金と専門家によるハンズオン支援を組み合わせたプログラムを提供しています。2026年時点で活用できる3つの制度を紹介します。
中堅・中小企業輸出支援エコシステム形成事業費補助金
民間の輸出支援事業者が連携して、中堅・中小企業の輸出拡大につながる取り組みを行う際に支援します。補助金額は1件あたり最大2,000万円、補助率は対象経費の1/2です。対象企業は輸出支援事業者(コンサル・物流・マーケティング会社等)が実施する、複数企業の輸出促進プログラムで、実施期間は補助金交付決定日〜2026年1月31日です。
個社単独ではなく、支援事業者がまとめて複数企業の輸出を支援するスキームです。自社が直接申請するのではなく、支援事業者が実施するプログラムに参加する形で活用できます。
中小企業等海外侵害対策支援事業
海外で産業財産権(特許・商標等)に関するトラブルに巻き込まれた際、対抗措置にかかる費用を助成します。補助率は2/3、上限額は500万円です。対象経費は弁護士費用、調査費用、訴訟費用など、対象期間は補助金交付決定日〜2026年1月15日です。
海外展開で頻発する冒認商標(第三者による先回り商標登録)への対抗にも利用可能です。別途「冒認商標無効・取消係争支援事業」も同条件で提供されています。海外進出前に自社の知財を守る予算を確保する際の選択肢として有効です。
新規輸出1万社支援プログラム
JETRO・中小機構・地方自治体・金融機関が連携し、専門家による企業訪問・商談支援・海外出張サポートを提供します。補助金ではなく無料のハンズオン支援が中心です。対象企業は新規に輸出を開始したい、または輸出を本格化したい中小企業で、ビジネスプラン策定、海外バイヤーとのマッチング、現地市場調査、輸出実務サポートを提供します。
中小企業庁の「ものづくり補助金(グローバル枠)」申請時に、本プログラム登録企業は加点措置が適用されます。補助金申請前に登録しておくことで採択率が向上します。
中小機構・国の補助金制度
国が直接運営する補助金制度のうち、海外展開に特化した3つを紹介します。
ものづくり補助金(グローバル展開型)
海外事業の拡大・強化に必要な設備投資・システム投資を支援します。補助上限は3,000万円、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3です。対象経費は機械装置費、システム構築費、技術導入費、専門家経費、海外旅費などです。
海外展開が国内の生産性向上にもつながることを示す必要があります。「海外販路開拓により国内工場の稼働率が向上する」等の構成で申請書を書くと採択されやすくなります。前述のJETROプログラムに登録していると加点されるため、併用が効果的です。
外国出願補助金(特許庁)
海外で特許・商標・意匠を出願する際の費用を半額補助します。上限額は1企業あたり300万円(複数案件の合計)です。対象経費は外国特許庁への出願料、現地代理人費用、翻訳費用で、対象企業は中小企業(資本金3億円以下または従業員300人以下)です。
海外展開前に知財を固めておくことで、現地での模倣品対策・ブランド保護が可能になります。JETROの侵害対策支援と組み合わせることで、出願〜係争対応まで一貫してサポートを受けられます。
海外サプライチェーン多元化等支援事業
海外に生産拠点を設置・移転する際の設備導入費用を補助します。補助率は1/2以内、補助上限は案件により異なります(公募回により変動)。対象はサプライチェーンのリスク分散・強靭化を目的とした海外拠点の新設・増強です。
第六回公募(設備導入補助型)が実施されており、今後も継続する見込みです。製造業で海外拠点を検討している企業は、JETROの公式サイトで最新情報を確認することが重要です。
自治体の海外展開支援(東京都・大阪府)
地方自治体も独自の海外進出支援を行っています。国の補助金と併用できるケースが多く、活用することで自己負担を大幅に減らせます。
東京都スタートアップ海外進出支援事業
創業10年未満のスタートアップが海外で販路開拓・プロモーション活動を行う際の費用を補助します。対象企業は東京都内に本店または主たる事業所を有するスタートアップで、海外展示会出展費、現地マーケティング費、通訳費、広告費などが対象経費です。補助率・上限は自治体により異なるため、東京都中小企業振興公社の公式サイトで確認が必要です。
東京都は信用保証協会・金融機関と連携した「中小企業融資制度」も提供しており、融資限度額2億8,000万円、融資期間最長10年の資金調達も可能です。補助金と融資を組み合わせることで、海外展開の初期投資を賄えます。
東京都市場開拓助成金
国内外の展示会・商談会への出展費用、ウェブサイト作成費、広告宣伝費を補助します。海外展開に限らず国内販路開拓にも利用可能です。対象企業は東京都内の中小企業で、展示会出展費(ブース料金、装飾費)、通訳費(海外展示会の場合)、ウェブサイト制作費、広告費が対象経費です。
海外展示会に出展する際の通訳費も対象になるため、初めて海外展開する企業にとって使いやすい制度です。
大阪府・市町村の海外進出補助金
大阪府および府内の市町村は、地域経済の活性化を目的に中小企業の海外展開を支援しています。自治体ごとに制度が異なります。例えば八尾市は海外販路開拓費用・海外拠点設立費用を補助する制度を運営しています。対象経費は海外販路開拓費、海外拠点設立費、知財権取得費です。
大阪府内に事業所がある企業は、府の制度と市町村の制度を併用できるケースがあります。まずは地元自治体の商工会議所・産業振興課に相談することで、最適な補助金を案内してもらえます。
海外展開補助金の選び方・申請のポイント
複数の補助金制度がありますが、自社の海外展開ステージに合わせて選ぶことが重要です。
自社の海外展開ステージに合わせた選択
| ステージ | 最適な支援 | 理由 |
|---|---|---|
| 検討・準備期 | 新規輸出1万社支援プログラム(無料) | 専門家が訪問してプラン策定を支援。資金を投じる前に方向性を固める |
| テスト販売・展示会出展 | 東京都市場開拓助成金、自治体補助金 | 出展費・通訳費・広告費を補助。リスクを抑えて市場反応を確認 |
| 本格展開・拠点設立 | ものづくり補助金(グローバル展開型)、海外サプライチェーン多元化支援 | 大型投資に対応(数千万円規模)。設備・システム投資が対象 |
複数補助金の併用可否を確認
多くの補助金は「同一経費への重複申請不可」ですが、経費を分けることで併用可能です。
併用例:
- ものづくり補助金(設備投資) + 外国出願補助金(知財出願) → 経費が異なるため併用OK
- JETRO侵害対策支援(係争費用) + 自治体補助金(販路開拓費) → 経費が異なるため併用OK
- 新規輸出1万社支援(無料支援) + ものづくり補助金 → 片方が無料支援のため併用OK
申請前に各制度の公募要領で「他の補助金との併用可否」を確認するか、事務局に問い合わせることが確実です。
申請時に押さえるべき3つのポイント
ポイント1: 海外展開の必然性を示す
「なぜ海外なのか」を具体的なデータで説明します。国内市場の縮小データ、海外市場の成長率、既存顧客からの海外引き合い等を根拠にすると説得力が増します。
ポイント2: 国内事業への波及効果を明記
多くの補助金は「海外展開が国内の雇用・生産性向上につながること」を評価基準にしています。「海外受注により国内工場の稼働率が向上し、雇用を維持できる」等の構成が有効です。
ポイント3: 認定支援機関の支援を受ける
ものづくり補助金や事業再構築補助金は、認定支援機関(税理士・中小企業診断士・商工会議所等)の確認書が必要です。認定支援機関は申請書の添削・事業計画のブラッシュアップもサポートしてくれるため、採択率が大幅に向上します。
申請前に類似業種の採択事例を確認することで、審査のポイントが見えてきます。
まとめ
海外展開に使える補助金は、JETRO・中小機構・自治体が多様な制度を用意しています。自社の海外展開ステージに合わせて選び、複数の補助金を組み合わせることで自己負担を抑えられます。
重要ポイント:
- 検討期: 新規輸出1万社支援プログラムで無料の専門家支援を活用
- テスト販売期: 東京都市場開拓助成金・自治体補助金で展示会出展費を補助
- 本格展開期: ものづくり補助金(グローバル展開型)で設備投資を支援
- 知財保護: 外国出願補助金(特許庁)+ JETRO侵害対策支援で出願〜係争まで対応
- 併用戦略: 経費を分けることで複数補助金を同時活用できる
海外進出は資金面のハードルが高いですが、補助金を適切に組み合わせることでリスクを抑えながら挑戦できます。申請前に認定支援機関に相談し、採択率を高める準備を整えることが成功の鍵です。
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