東京都のスタートアップ向け助成金一覧|都独自の支援制度を解説
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東京都は国の補助金とは別に、都独自のスタートアップ支援制度を複数運営しています。国の制度は全国共通ですが、東京都の制度は都内で創業する企業に限定される分、採選率が比較的高く、支援内容も実務寄りです。この記事では、2026年度に申請可能な主要制度を一覧で整理し、それぞれの対象・金額・申請のポイントを解説します。
東京都の助成金と国の補助金の違い
東京都の助成金は、国の補助金とは併用できるケースが多い点が大きな特徴です。例えば、国の小規模事業者持続化補助金で販路開拓費用を補助しつつ、東京都の創業助成事業で人件費や賃借料をカバーするといった組み合わせが可能です。
国の補助金は全国の事業者が申請するため競争率が高くなりがちですが、東京都の制度は都内事業者に限定されます。また、東京都は「スタートアップ戦略」を都政の重点施策に位置づけており、年間予算規模も大きいのが特徴です。
ただし、都の助成金は申請窓口が東京都中小企業振興公社(以下、公社)やTOKYO創業ステーションなど複数に分かれており、情報が分散しやすい点には注意が必要です。
スタートアップが使える東京都の主要助成金
創業助成事業(東京都中小企業振興公社)
都内で創業予定、または創業から5年未満の中小企業者を対象とする助成金です。スタートアップが最初に検討すべき制度といえます。
助成上限額は400万円(下限100万円)、助成率は対象経費の3分の2以内です。対象経費には賃借料、広告費、器具備品購入費、従業員人件費、専門家指導費、市場調査費などが含まれます。人件費や家賃といった固定費に使える点が、国の補助金にはない大きなメリットです。
2026年度の募集は年2回を予定しており、第1回は4月7日~4月16日、第2回は9月29日~10月8日が申請期間です。申請にはTOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援を受けることが要件の一つとなっています。
キングサーモンプロジェクト(先端事業普及モデル創出事業)
東京都が2019年から実施しているスタートアップ支援事業です。都政の現場をフィールドとして、スタートアップの製品・サービスの実証実験と導入を支援します。
金銭的な助成だけでなく、都庁や都の関連施設を実証実験の場として活用できる点が最大の特徴です。これまで6期にわたり約22件以上のプロジェクトが採選されており、行政課題の解決とスタートアップの成長を同時に実現する仕組みとして注目されています。
対象はシード~アーリーステージのスタートアップで、都政課題の解決に資するプロダクトを持つ企業が選考されます。採選後は都職員との協働で先行導入プロジェクトを進め、販路拡大に向けた戦略立案支援も受けられます。
TOKYO SUTEAM(多様な主体によるスタートアップ支援展開事業)
東京都が掲げる「10×10×10 Innovation Vision」(ユニコーン10倍、スタートアップ創出10倍、協働10倍)を実現するための包括的な支援プログラムです。
VC、アクセラレーター、大学、大企業といった多様な支援主体と東京都が協定を結び、スタートアップの創出・成長を支援します。2025年度には ディープテック分野の新コースも新設されました。支援期間は約1.5年(ディープテックコースは約2.5年)で、KPI達成に基づく協定金が支援主体に支払われます。
スタートアップが直接応募するのではなく、協定事業者(VCやアクセラレーターなど)の支援プログラムに参加する形式です。NTT都市開発、東京きらぼしフィナンシャルグループ、Beyond Next Ventures などが協定事業者として採選されています。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業
都内中小企業の設備投資を支援する大型助成金です。助成上限額は最大1億円(一部条件で2億円)と、都の助成金の中では最大規模です。2026年度予算は約173億円が計上されています。
「製品・サービスの質的向上」や「生産性向上」を目的とした機械設備の導入が対象です。ハードウェアスタートアップや製造業向けのスタートアップが量産体制を構築する際に活用できます。
第11回募集の申請期間は2026年1月~2月でしたが、年度内に複数回の募集が実施される見込みです。最新の募集情報は公社のWebサイトで確認してください。
新製品・新技術開発助成事業
都内の中小企業が新しい製品や技術の開発を行う際の経費を助成する制度です。助成上限額は1,500万円、助成率は2分の1以内です。
原材料費、機械装置費、委託・外注費、専門家指導費などが対象経費に含まれます。プロダクト開発フェーズのスタートアップが試作品開発やMVP構築の費用として活用しやすい制度です。申請には、開発の新規性と市場性を示す事業計画書が求められます。
東京都の助成金一覧(比較表)
| 制度名 | 助成上限額 | 助成率 | 対象ステージ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 創業助成事業 | 400万円 | 2/3以内 | 創業5年未満 | 人件費・家賃にも使える |
| キングサーモンPJ | 協働型 | - | シード~アーリー | 都政の現場で実証実験 |
| TOKYO SUTEAM | 間接支援 | - | 全ステージ | VC・アクセラレーター経由で参加 |
| 設備投資支援事業 | 1~2億円 | 2/3~3/4 | 中小企業 | 大型設備投資向け |
| 新製品・新技術開発 | 1,500万円 | 1/2以内 | 中小企業 | 試作品・MVP開発向け |
申請前に押さえるべきポイント
東京都の助成金に共通するのは、申請期間が短いことです。創業助成事業は各回の募集期間が約10日間しかなく、事前準備なしでは間に合いません。以下の3点を事前に整えておくことが重要です。
第一に、事業計画書の準備です。創業助成事業ではTOKYO創業ステーションの策定支援を受けることが要件になっています。計画書のクオリティが採選を左右するため、支援プログラムは早めに受講しておくのが得策です。
第二に、法人登記と決算書類の整備です。助成金によっては直近の決算書や登記簿謄本が必要になります。創業直後で決算期を迎えていない場合は、その旨を事業計画書に記載する必要があります。
第三に、申請のタイミングです。都の助成金は年度単位で予算が設定されるため、年度前半の第1回募集の方が予算枠に余裕がある傾向にあります。4月の創業助成事業第1回は特に注目です。
まとめ
東京都はスタートアップ支援を重点施策に位置づけており、国の補助金とは別に、都独自の助成金を複数運営しています。国の制度は全国共通ですが、東京都の制度は都内で創業する企業に限定される分、採選率が比較的高く、支援内容も実務寄りです。この記事では2026年度に申請可能な主要制度を一覧で整理し、それぞれの対象・金額・申請のポイントを解説しました。
ポイントを整理します。
- 創業5年未満なら、まず創業助成事業(上限400万円)を検討する。人件費・家賃に使える貴重な制度
- 行政課題を解決するプロダクトがあれば、キングサーモンプロジェクトで実証実験のフィールドを得られる
- 設備投資が必要なら設備投資支援事業(最大1~2億円)が有力。都の助成金では最大規模
- 国の補助金と併用可能な制度が多い。組み合わせて活用するのが効果的
- 募集期間が短いため、事業計画書と申請書類は事前に準備しておくことが必須
東京都の助成金情報は、東京都中小企業振興公社やTOKYO創業ステーションの公式サイトで定期的に更新されています。スタートアップが活用できる最新の補助金・助成金情報は、CFO.Mediaの補助金データベースでも検索できます。
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