COLUMN

【世界を変革する専門家に学ぶ|北條 明宏氏】 スタートアップの資金調達ラウンドと企業評価価値の考え方(第1回)

 

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【世界を変革する専門家に学ぶ|北條 明宏氏】
・第1回:スタートアップの資金調達ラウンドと企業評価価値の考え方👈
・第2回:スタートアップの資金調達と事業計画の書き方
・第3回:スタートアップのフェーズ別、お薦め資金調達手法
第4回:シリーズAからの投資契約書の種類株式で気を付けるべき点は
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スタートアップの成長に避けては通れない資金調達。しかし、スタートアップ業界には特有の用語や考え方が存在しており、なかなか理解が進まないという方も少なくないと思います。

そこで【世界を変革する専門家に学ぶ】連載企画として、6年間で複数社40億円以上の調達に関与し、多数のスタートアップの社外役員を務める、北條 明宏氏(北條公認会計士・税理士事務所 代表)監修のもと、計4回のコラムをお届けします。

第1回では、スタートアップの資金調達を進める上で理解しておくべき用語や基本的な考え方をまとめました。今回は調達ラウンド別、バリュエーションとシェアの考え方について解説をします。

バリュエーション(企業評価価値)とシェアの考え方とは?

スタートアップの企業評価価値は、「バリュエーション〇〇億円」と表現されますが、資本金と企業価値は同じ意味合いではありません。

スタートアップの企業評価価値は、創業時に発行した株式数×1株当たりの単価で算出されます。資金調達が必要と判断した場合、その時点での企業評価価値を算出します(Pre-Value)。算出方法はいくつかありますが、発行済み株式数と単価を掛け合わせて決定されます。

投資家に事業計画や数値計画等を説明し、調達が成功した場合、Pre-Valueに調達金額を加えたものを「Post-Value」と呼びます。

今回、投資家が2,000万円の投資した場合を例に下記スライドで整理しました。投資家から資金調達をする際は、調達金額と譲渡するシェア割合のバランスを見ながら判断することが重要です。

 

調達ラウンドとシェア割りとは?

スタートアップは、業種やサービス提供内容、戦略によって異なるものの、企業評価価値と資金調達額によって、「調達ラウンド」と呼ばれるカテゴリ分けがされます。

エンジェル期はスタートアップの最初期で、ビジネスやプロダクトのアイデアのみがあり、メンバーや顧客を抱えていない場合が一般的です。資金調達額は数百万円~数千万円程度が目安になります。

シード期は調達資金をビジネスアイデアのブラッシュアップやプロダクト開発、またはメンバー採用に使う場合が多く、資金調達額は数百万円~数千万円程度です。

プレシリーズAでは、PSF(Problem Solution Fit:想定顧客の課題を解決するプロダクト・サービスが完成している状態)やPMF(Product Market Fit:想定顧客の課題とその解決策が合致している状態)の達成を目指す段階で、資金調達額は5千万円~1億円程度です。

シリーズAでは、正式版をリリースしてトラクションを得る段階であり、調達した資金をもとにプロダクトの量産や販路開拓を行います。資金調達額の目安は5千万円~2億円程度です。

仮にスタートアップが上場を目指す場合、上場までに50%の安定株主を維持すべきだと言われているので、1回の調達ラウンドで、どの程度の株式をいくらの企業評価価値で放出するか、先を見据えて実施する必要があります。

 

スタートアップが調達ラウンド毎に求められるものとは?

先ほど、スタートアップには調達ラウンドという概念があると説明しましたが、投資家が出資判断をするうえで、各調達ラウンド毎に求めている基準がある程度存在しています。

投資家がスタートアップに出資を検討する際にチェックする4つのポイント「起業家の人柄」、「財務状況」、「チームビルド」、「ビジネスモデル」に絞り下記スライドで整理しました。

 

本コラムのまとめ

今回は以下の3つのテーマを中心に解説しました。

  • 企業価値と企業評価価値(バリュエーション)は同義ではなく、バリュエーションには、企業評価価値を資金調達前の「Pre-Value」と資金調達後の「Post-Value」という考え方がある。
  • スタートアップには、企業評価価値と資金調達した金額によって調達ラウンドと呼ばれる区分(例:シード、シリーズA 等)がある。
  • また、投資家はスタートアップを「起業家の人柄」、「財務状況」、「チームビルド」、「ビジネスモデル」の4つの観点で見定め、出資を検討する。

次回はスタートアップの資金調達には欠かせない存在である、ベンチャーキャピタル(VC)と資金調達の準備には必須となる事業計画書を書く際のポイントについて解説していきますので、ご期待ください。

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【世界を変革する専門家に学ぶ|北條 明宏氏】
・第1回:スタートアップの資金調達ラウンドと企業評価価値の考え方👈
・第2回:スタートアップの資金調達と事業計画の書き方
・第3回:スタートアップのフェーズ別、お薦め資金調達手法
第4回:シリーズAからの投資契約書の種類株式で気を付けるべき点は
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この記事の執筆者

北條 明宏(公認会計士・税理士)

アコムで勤務後、監査法人トーマツに入所し、金融機関の監査業務に従事しつつ、ベンチャーの資金調達サポートに携わる。2016年に、ベンチャーに特化した会計事務所を設立。6年間で複数社40億円以上の調達に関与し、多数のベンチャーの社外役員を務める。

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