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東京都中小企業振興公社の創業助成金とは?申請要件と助成対象経費を解説!

 

東京都中小企業振興公社の創業助成金とは、東京都中小企業振興公社がスタートアップを目指す経営者向けに準備した制度です。この制度を利用することで、助成金を得られ、創業時に活用できます。今回は、創業助成金の概要や要件、対象経費について解説します。

東京都中小企業振興公社の創業助成金制度とは?

東京都中小企業振興公社の創業助成金制度の概要について解説します。

創業助成金制度の目的・役割は?

創業助成金制度は、東京都内の産業活力向上を目的に制定された制度です。創業当初に必要な経費の一部に対して助成金を支給することで、事業実施の活性化や将来の経営者のサポートを行います。要件を満たし、審査に通れば約300万円の助成金を創業資金として得られます。

助成事業のスケジュールは?

創業助成金制度の募集は、年に2回、春と秋に行われます。応募や審査のスケジュールは「東京都産業労働局 東京都創業NET」などのサイトで更新されます。利用を検討している方は、随時確認するようにしましょう。申請から助成金支払いまでのおおまかな流れを、秋の応募のスケジュールを基に解説します。

1. 申請書作成
2. 申請書提出(10月中旬)
3. 書類審査(10月中旬~11月中旬 ※11月末から書類審査通知)
4. 面接~面接審査~総合審査(12月初旬~3初旬)
5. 交付決定(3月初旬から随時)
6. 事業実施
7. 完了報告(最短半年、最長2年。完了報告・完了検査後に支払い)

創業助成金制度の申請要件とは?

創業助成金制度を利用するにはいくつかの申請要件を満たしている必要があります。以下の申請要件を満たしている人または事業者が対象となります。代表的なものをいくつかご紹介します。

創業者等の要件

創業者等の要件とは、どのような個人事業主・中小法人が対象になるかを定めたものです。
以下に該当する個人・法人が対象となります。

・【個人事業主】東京都内で具体的に創業を計画している方
・【個人事業主】東京都内で創業開業して、5年未満の方
・【中小法人】東京都内で設立して、5年未満の会社法人

出典元:東京都創業助成金募集要領

創業者支援事業の要件

創業者支援事業の要件とは、すでに受けている創業支援に関する要件です。創業助成金制度を受けるには、以下の創業支援をすでに受けている必要があります。以下のいずれかの支援を受けていることが要件になります。以下の創業支援・融資制度は19項目あり、19項目の中から1つでも制度を利用した上で、申請要件確認資料の提出が必要になります。

・東京都中小企業振興公社の創業支援を利用したことがある
・東京信用保証協会の創業融資を利用したことがある(申請時点で受けている)
・東京都創業サポート事業の融資を利用したことがある(申請時点で受けている)
・日本政策金融公庫の創業融資を利用したことがある(申請時点で受けている)

出典元:東京都創業助成金募集要領

その他の申請要件

上記で解説した申請要件の他、例えば以下のような要件を満たす必要があります。

・申請書受理から助成対象期間完了までに以下の1~12の項目すべてに該当している

1.中小企業業者に該当すること。
2.事務所所在地が東京都内であること。
3.代表者以外の主体が実質的な経営に関する指揮、命令、監督等を継続して行っていないこと。
4.他の個人事業主、または他の法人の実施事業の承継や譲渡ではないこと。
5.成果や効果が、特定の法人・個人を対象としたものではないこと。
6.助成事業者が、必要な許認可を取得し、関係法令を遵守していること。
7.事業内容が、都内経済への波及、社会貢献、課題解決につながるものであること。
8.「従業員人件費のみ」を助成対象経費として申請を行う計画ではないこと。
9.助成金の交付がない場合であっても、事業の実施が可能な資金計画であること。
10.一定の期間を経過した後に、助成金が支払われる点を踏まえた資金計画であること。
11.実施体制や実行能力等を有し、助成対象期間内に事業の実施が可能であること。
12.民事再生法などを受けて、助成事業の継続について不確実な状況が存在していないこと。

・納税地や助成金の重複について

1.納税地が東京都内である
2.特定の要件に該当している助成金や補助金を重複して受けない

出典元:東京都創業助成金募集要領

このように申請要件が非常に多い点に注意が必要です。申請後も要件を満たしていないと審査に落ちるため、準備を慎重に進める必要があります。

創業助成金制度の助成対象経費は?

では、どのような経費が助成対象となるのでしょうか?助成対象の経費について解説します。

助成対象経費のリスト

助成対象となる経費は以下です。
・賃借料
・広告費
・器具備品購入費
・産業財産権出願・導入費
・専門家指導費
・従業員人件費

従業員やアルバイトへの給与、事業に必要なオフィスや駐車場の賃料、広告制作にかかる外注費、オフィスに必要な各種備品の費用などが助成対象となります。対象経費の詳細については以下のサイトから確認しましょう。

参考:東京都創業助成金募集要領

助成対象経費の範囲は?対象外となる経費

創業助成金制度には助成対象の範囲が設定されており、創業や事業にかかった経費のすべてが対象になる訳ではありません。対象外になるのは以下のような経費です。

・役員給与
・社会保険料
・通勤手当
・助成金申請に必要な事業計画作成のために支払った専門家への報酬
・市場調査や宣伝のために支払った専門家への報酬
・決算書作成、税務申告料
・切手代

また、消耗品費・水道光熱費・接待交際費などの他、助成金の交付前に支払った経費はすべて対象外となります。

創業助成金制度の申請方法

創業助成金制度の申請方法について解説します。

申請手続に必要な書類

申請手続きに必要な書類は以下です。
・創業助成事業申請前確認書
・創業助成事業申請書
・直近2期分の確定申告書等(申請時点で1期目の場合は不要)
・【法人のみ】発行後3カ月以内の登記謄本
・【個人のみ】個人事業の開業・廃業等届出書
・申請要件確認書類

申請書には事業計画が必要になる他、申請要件確認書類を作成するのにも時間がかかります。書類を揃えるためには最低2か月程度の時間が必要になるため、早めに準備をスタートさせる必要があります。

申請から助成金支払いまでの流れ

申請から助成金の支払いまでは以下のような流れで進行します。
1.申請書の作成・書類の準備
2.書類提出
3.書類審査
4.面接審査
5.交付決定
6.事業実施
7.完了報告
8.助成金交付

助成金が交付されるのは、事業計画が完了後であるという点がポイントです。なお、交付決定から6カ月後に中間払いが可能なこともあります。助成対象期間が6カ月を超えてない場合、中間払いは利用できません。また、従業員人件費のみの場合、中間払いの申請はできません。

創業助成金制度の審査方法

創業助成金制度の書類審査・面接審査では以下のようなポイントが要点となります。

・製品・商品・サービスの完成度
・問題意識・潜在力の高さ
・対象市場に対する理解度・適応性
・事業の実現性
・助成金活用方法の有効性
・スケジュール・経営の見通しの妥当性
・資金調達の妥当性
・申請経費の妥当性

書類・面接を通じて上記の項目を満たしているかが審査されます。総合的に助成事業者として適していると判断されれば交付決定となります。審査のポイントについての詳細は以下からご確認ください。

出典元:東京都創業助成金募集要領

創業助成金制度の注意事項

創業助成金制度の利用を検討している方に向けて、事前に知っておきたい注意事項について解説します。

助成金の支給のタイミングについて

上述したように交付が決定しても助成金が実際に支給されるのは約1年後になります。そのため、1年間は自身で資金調達をして事業を実施する必要があります。創業助成金制度の利用と合わせて、資金調達の方法についても検討しましょう。

助成対象期間について

助成金対象期間は1年のみとなります。そのため、家賃が高いオフィスを借りたり、多く従業員を雇ったりすると、1年目は助成金で支払えても、その後は事業で得た収益だけで支払いをしなければなりません。2年目以降を踏まえて、事業継続に必要なランニングコストは抑えた方がよいでしょう。

実績報告と検査について

助成金が支給される前には、事業の実績報告と検査があります。この際には、助成対象経費の金額と内容が特定可能な書類(見積書・契約書など)の提出が必要となります。書類内容に不備があると支給が遅れる、または最悪の場合支給停止になる可能性もあるため、必ず丁寧に記録するようにしましょう。

まとめ

東京都中小企業振興公社の創業助成金は、これから創業を検討している方や創業から5年以内の個人・法人を対象とした制度です。平成29~令和3年度までの採択率の平均は16.4%となっており、審査に通るのは簡単ではありませんが、交付が決定すれば最大300万円の助成金が支給されます。資金調達の方法として活用を検討してもよいでしょう。ただし、準備に時間がかかること、厳しい審査を通過する必要があること、実際の支給は1年後になることなどは理解しておく必要があります。創業資金や事業資金の調達にお悩みの方は、ぜひ検討してみてください。

 

この記事の執筆者

TheCFO.Media編集部

TheCFO.Media 編集部はシード・アーリー期の資金調達を目指す起業家に必要な情報を発信していくメディアとなります。

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